飛行機に乗ることって、特別なことです。
前の日から、チケットや、飛行機の中で気持ち悪くなった時の薬、首が疲れない様に、無印用品で買ったネックピロー、足が疲れない様に、機内で足裏ゴロゴロ用のゴルフボール(オススメです。やってみて。周りのお客さんにバレない様に。)、特別な日の為に揃えた下着と着替えを、普段使いもしない、大きな旅行カバンのにツメコム、この行くまででの、旅の準備をするだけで、ワクワクします。
いつもより早く、目覚ましより先に起きて、窓を開けて、新鮮な空気で呼吸をし、あたらしい「ナニカ」になって、この出発の日を迎えます。
いつもの朝より少し早く、いつもとは違う電車に乗って、いつもとは違う窓の景色を楽しんで、アノ、「飛行場」へ向かっています。イヤフォンからは山下達郎さんの「ライドオンタイム」や米米クラブさんの「浪漫飛行」とか流しちゃったりして。
空港に着いて、なんかちょっと違う自分になった気がして、航空会社のスタッフの方に、自分なりに爽やかに、あいさつと、本来わざわざ立ち寄らなくても済む用事を済ませて、手荷物を出来るだけ少なくする為に、小さな旅行鞄を預け、意気揚々とボーディングブリッジを歩いていきます。
そこにある小さな窓から、飛行場の建物と飛行機のパイロットを眺め、「あぁ、僕はツバサになるんだ。」と、少しタップを踏む様な足取りで、夢心地で乗り込む。
「なんでこの人、速く前に進まないの。」と小声で囁いている、団体観光客のオバサマ方を、僕の背にして。
アァ、コノキジヲ、ヨンデルヒトノ、カオヲミルコトガ、デキナイ。カイテイテ、カオガアカクナッテイルノガ、ワカリマス。
若いって素晴らしい。
自分の物語を、映画やTVのドラマにすることが出来るのです、周りの目を気にせず。
若いカップルが、人目を気にせず「チュー」をすることが出来る様に。
いや、僕は流石にそこまでは出来ませんでしたが。
勿論、いまは、そんな事はありません。ソンナ、「ヒマ」ハ、アリマセン。
そんなことを思う前に、思い出の為にシャッターチャンスを逃すマイ、と常にスマホをカメラモードにしています。
自分の目で実物を見る事は、二の次にして。
見て頂いた皆さん、ありがとうございました。