桂ざこば師匠が亡くなられました。
軽妙な話術で、皆さんを虜にされた噺家でした。
ざこば師匠が毒を持って、あの笑顔で、軽妙な語り口で噺ているのがおもしろくて、たのしかった。
大好きでした。
ご冥福をお祈りします。
だけど、僕、小さい時はこの方、苦手、というより嫌いだったんです。
泉ピン子さんも含め。
そう、共通点は、「ウイークエンダー」。
日本テレビ系列で土曜の夜遅くに放送されてたんです。
今見てもイカすデザインと、あのちょっと挑発的な音楽で。
本当は、別に、ざこば師匠達が嫌な訳ではなかったと思います。
内容がね。
ちょっとエッチな感じだったんですよ。
再現フィルムとか。
エッチって言うか、女性のモニョモニョモニョ、、、。
幼かった僕は、「ナニカ、ヨクナイモノヲ ミテイル。」って、眉を顰めながら、両親の横で熱心に観ていました。
そう、なんかチョットわるいコトしているみたいって、感じてたんです。
ぼくに、「わるいコト」をさせている、あの「番組」がワルイのだ。
ワルイ番組に出ているヒト達は、同じようにワルイにキマっている。
ワルイヒト達は、キライだ。僕をヘンナ気持ちにさせる。
小さな僕は、そう思い、ワルイ番組を熱心に観て、オトナへの何かを学んでいきました。
考えてみれば僕の両親は、あんなに小さい子の前で、夫婦揃ってよくあんな番組見てたな。
でも週明け、友達とも「ウィークエンダー」のコトを話していた気がする。
どこの家庭も一緒だったのでしょう。
時代かな。
実際には10時頃から1時間くらいの放送だったかな。子供にしては遅くの時間だった、って事です。興味のある人は、細かな時間等はネットで調べてみて下さい。何もかもココに書くのは野暮ってもんで。
ある程度、年を重ねて、ざこば師匠の言葉を聞くと、ざこば師匠の、喜び、笑い、悲しみ、怒りが、スッと入ってきました。
今は、ワカリマス。
ヒトに伝えるのに一生懸命だったんだな。
若い時はガムシャラに、落語家なのか、タレントなのか、とにかく売れるコトを一番に。
お歳を重ねられては、自分の苦労を、ヒトへの優しさへ変えることの出来る噺家さんになったんだなぁ。
もっと、おもしろいお噺を聴きたかった。
けれど、後進の噺家さん達が、師匠の想いを、きっと引き受けてくれます。
ところで、大人になって思うのは、いま、同じ番組やっても、面白いんじゃないかな。
芸能人が、その週の事件を、タレントならではの口調で説明、解説する。
時には悪辣非道な事件に関しては、僕たちの代わりに怒り、時には涙ながらに感動を伝える。
あ、今もやってますね。チョット形を変えて。
今も良いけど、松ちゃんがいた時は、チョット毒があってよかったな、「ワイドなショー」。
僕は毒が好きなようです。
見て頂いた皆さん、ありがとうございました。